辛酸を経て志堅し
幾度か辛酸を経て、志始めて堅し。
丈夫玉砕して甎全(せんぜん)を恥ず。
一家の遺事人知るや否や。
児孫(じそん)のために美田を買わず。
ざっくり解説
- 人の志、信念というものは、幾度も幾度もつらいことや苦しい目にあってのち、はじめて固まり定まる。
- 真の男子たるものは、玉となって砕けることを本懐とし、志を曲げて、つまらない瓦のようにいたずらに生きながらえることを恥とする。
- 屋根瓦のように屋根にのっているだけで、ただじっとしていれば、風雨を避ける役目や意味(仕事や目的)はそれなりにあるけれど、丈夫(男子)たるものそのようなじっとしているだけで何もしない駄々生きているだけの生き方を“善し”としない、“恥かしい”という
- そのことについて私自身が我が家に遺しておくべき教訓としていることがある。
- 世間の人はそれを知っているであろうか。
- それは子孫のために良い田畑、つまり遺産を買わず、遺さないということだ。
- 幾多の試練が目の前に立ちはだかる。
- これでもか、これでもかとばかりに行く手を阻む。
- しかし、私の志は決して衰えることはない。
- ひるむこともない。
- 幾度かの試練、辛酸を経て、志は自分の血となり、肉となり、さらに強固なものとなっていく。